由緒あるお地蔵さん〜「お別れ地蔵」「涙の地蔵」

 今回は、街角の名もないお地蔵さんではなく、立札付きの由緒あるお地蔵さんの紹介です。

まずは北野天満宮のバス停の近くにある、「お別れ地蔵」です。
看板によると、明治の廃仏毀釈の難から逃れて老僧が若狭から担いできたお地蔵さんを、この地で力尽きた僧に代わって人々が祀ったのが始まりで、当時この先にあった火葬場に向かう葬列が、このお地蔵さんの前で一応に別れを告げたことから、いつしか「お別れ地蔵」と呼ばれるようになったそうです。

このお地蔵さんは、豆腐で有名な「とようけ茶屋」の並びにあります。

残念ながら修理中で、ご本尊は修理中でした。修理中というのも珍しいので、張り紙を写真に撮ってたら、次々と観光客が覗きにきましたが、もちろん何にもありません。



続いて、四条高瀬川のほとりにある「涙の地蔵」です。
こちらは看板によると、森鴎外の小説「高瀬川」にあるように罪人を島流しに送り出す時、無事に帰れるように、涙を流してお願いしたお地蔵さんだそうです。隣りには「池大雅作」のお地蔵さんが並んでいます。

高瀬川のほとりに、ひっそりと立っていました。(看板の写真はクリックすると拡大されます。)

中には2体のお地蔵さんが。ハート形の縄飾りも、無事を願う心が込められているように感じられます。


今回は、いつもの面白地蔵と打って変わって、格調高いお地蔵さんたちでした。また時折、こうした由緒あるお地蔵さんも紹介したいと思います。